手塚悟監督『Every Day』感想
Amazon Primeで視聴。
残された人と、旅立っていく人の平凡でささやかな1週間を描いた物語。
いやーこれ主演女優の山本真由美さんが可愛すぎますね。マジで可愛い。
女性のかわいらしさは、顔ではなく行動にこそ現れますよね!
まあこのカップルは彼氏も可愛いんですけどね。
特筆すべきは、主人公とお義父さんの会話のシーンでしょう。
好きな人をなくし、今はいないその人について話すとき、
なにか特別なイベントというより、日常のことがよみがえってくるんですよね。
私も父が亡くなって以来、病院で3人で食べた食事のことばかり思い出します。
近所の白龍から出前を取り、餃子定食か醤油ラーメンを食べました。
餃子定食のスープはラーメンの汁で、たくあんとキャベツが森合わせられてあり、口いっぱいにほおばっていました。
ラーメンはあっさりしていて、きつね色のスープに長ネギが浮かんでいました。
もう一軒出前が取れる店があって、そちらはメニューが豊富で量も多いのですが、
我々の好みは白龍だったので白龍のほうが多かったです。
父の病院食は9割がまずく、そのなかでエビの甘煮だけは親子そろって好きでした。
そんなエビの甘煮さえ、父は食べきらず私にくれました。
食べきれなかったのか、愛情で残してくれたのか、今となっては聞くことができません。
今になって、あの時どう感じたのか、ああすればよかったのではないか等
思うことがあります。
私たち、というか私は、日々の、些細な、ささくれのようなできごとを、
ふと思い出しては悲しみ、声にならない声を発し、一人で言い訳してしまいます。
願わくば、「僕にはもったいない人だった」と、そう言える人と巡り合いたい。
しかし、そう思える人と巡り合えるかはわからないですし、
いつ別れがくるかは私には決めることができません。
もっといえば、私はもうそう思える人たちに会っているんだと思います。
会ったうえで、このなんでもない日々をだらだらと過ごしているんだと思います。
たとえ、いつ別れが訪れようとも、そういう人と巡り合えたんだと、
そう思えるような関係を作っていくことを、大切に生きていきたいものです。